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Paper 12. Fundamental Study on Fire Resistance
Properties of Reinforced
Concrete Beams Using GRC Casting Fornrworks |
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藤田直明 ・ 平居孝
NaoakiFujita and TakayukiHirai |
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| The tensile stress and shearing stress generate at the interface
between the GRC casting forms and the concrete of the reinforced beam
during heating by fires were calculated by finite element method.
Two types of GRC casting formworks were selected to improve joining
performance between GRC and concrete. One was putting embossment and
the other was burying wire net on the inside surface of GRC casting
formworks. Fire resistance test was carried out on reinforced concrete
beams covered with those GRC casting formworks and also to the reinforced
concrete beam without GRC formwork. From these tests it was clarified
that RC beams using GRC permanent formworks have the similar fire
resistance with the conventional RC beam without formworks. |
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| 1. はじめに |
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耐アルカリガラスの短繊維を分散させて混入して補強したセメント製品(以下ではGRCと表す)は、1968年に英国のBuilding Research EstablishmentのDr.
Majumdarらにより基礎的な研究が行われ、その後工業製品の開発へ発展した。GRCに関する基本技術は 日本にも導入され、国内でもGRCの商品開発が盛んに
行われた。
GRCは、不燃性、造形性、高強度などの特性を生かして、カーテンウォールや防音壁などに広く使われているが、その極めて高い中注化抑制効果を生かした製品はまだない。筆者らは建築構造物のRC部材の打込み
型枠にGRCを適用することに着目し、GRC打込み型枠を用いた梁の曲げによる部材構造試験、炭酸ガスによる促進中性化試験、実構造物への施工試験を
行って検討し、その可能性があることを示した。さらに 建築物に広く用いられるようになるには建築基準法に 定められた耐火構造に指定されることが必要である。
そこで本研究では、GRC打込み型枠を用いたRC梁の耐火性能について調べた。GRCのように高強度で不燃 のセメント系材料を用いたパネルを打込み型枠に適用する研究が多く行われているが、その厚さをかぶり厚さに含めるのではなく捨て型枠として考えており、打
込み型枠とコンクリートとの接合性について検討した 研究は少ない。耐火試験においてGRC打込み型枠とコ ンクリートが接合面で分離すると判定条件を満たさないことから、筆者らは、GRC打込み型枠をかぶり厚さ
に含める耐火構造認定を取得することを目的とし、耐火試験状況下におけるGRC打込み型枠とコンクリートとの接合性を十分に得る方法について研究を行った。
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| 2.GRC打込み型枠の接合面と構成に関する検討 |
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2・1. 火災時の接合面に生じる応カの数値解析
GRC打込み型枠を用いたRC梁は、火災時にRC梁内部の位置によって温度が異なり材料定数が変わるため、接合面に両者を分離させるような応力が生じると考えられる。ここでは、その応カの解析を3次元有限要素法による数値計算で行った。
2・1・1. 解析モデル Figure
1に示すGRC打込み型枠を用いた梁の耐火試験体について、点線で囲ったABCDEFGHの直方体の部分を解析の対象にした。GRC打込み型枠の厚さは15mmとし、配筋はFig.2とFig.3のように設定した。鉄筋はいずれも矩形断面とした。GRC打込み型枠を含んだかぶり厚さは、あばら筋が30mm、主筋が40mmである。
JlS A 1304建築構造部分の耐火試験方法に示された加熱温度曲線で加熱した時の10分、20分、30分、40分、60分、80分、120分経過時について、加熱面すなわち解析モデルではFig.1のABCDの面、ABFEの面およびBCGFの面からの距離が0〜15、15〜30、30〜40、40〜60、60〜90、90〜125mmの区域に分け、これらに位置する有限要素の温度、線膨張量および線形弾性を仮定したときのヤング率を、文献を参考にしてTable
1のように設定した。なおボアソン比はコンク リートについて高温になると増加する場含と減少する場合が示された文献があるが、他に適当な参考値がなく常温の値と同じと仮定し、コンクリートとGRCは
0.2、鉄筋は0.3とした。 Figure
4はモデルの要素分割であり、座標軸に平行な面で分割し、726個の6面体、20節点のアイソパラメトリック要索を設定した。節点総数は3720個である。
ADHEの面はY方向の変位が0、CDHGの面はX方向の変位が0、EFGHの面はZ方向の変位が0、他は節点カが0の境界条件を与えた。なお、ここで上部RCスラブとの接含面は火災時も平面であると仮定し、EFGH面に生じる鉛直変位を無視している。加熱途中の損傷はなく、形状は初期と同じと仮定して原点からの割線によるヤング率を用いて、各経過時間での個別の計算を行った。数値計算はプログラムが公開されているソフトを用いて行った。
2・1・2.接合面に生じる応カの計算結果 Figure
5は、加熱時間の経過に対して接合面に生じる応カがどのように変化するかを、梁側面の接合面上について示している。加熟開始後20〜40分の間に応カ
が極大になるときがあり、その時刻は接合面の位置で多少異なっている。加熱20〜40分後において応力が極大になるのは、これ以後温度が上昇するにつれて線膨
張量の差の影響よりヤング率の低下による応カ緩和の影響が大きいからである。応カが最大であるのは、垂直応カ度δyとせん断応カ度τyzのいずれにおいても加熱後20分のときであり、その位置はY=110mm、Z=15mm(GRC打込み型枠の底板と側板の境目位置の接合面)である。
加熱20分のときの梁側面の接合面上の応力をFig.6に、梁底面の接合面上の応カをFig.7に示す。面に垂直な垂直応力度と面に平行なせん断応力度は、いずれもGRC打込み型枠の底板と側板の境目(Y=110mm、Z=15mm)に近いほど大きくなる傾向を示している。その傾向から応カの分布が多少ずれる箇所があるが、それは主筋に近接した箇所(梁側面ではZ=50mmと350mm、梁底面ではY=75mm)の付近である。Figure
6と7はあばら筋に近い位置(X=100mm)とあぱら筋から離れた位置(X=200mm)について示しており、両
者に多少の差が出るのはあばら筋の影響である。 Figure
8は、梁の長さ方向(X軸方向)での応カの分布を示している。Xが0〜300mmの間において応力は ほぼ一定の値である。X=100mmと300mmで少し変動しているのは、この位置にあるあばら筋の影響である。Xが400mmの所から応カの値が変化し、Xが500mmすなわち、梁小日(Fig.1のABFEの面)に近づくほどその変化の割合が急激になり、梁小口に近い箇所で大きな応カが生じている。
2・1・3.接合面の応力に関する考察 Figure
8に示したように、梁小口から離れた部分では、接合面に生じる応力は、梁の軸方向に変化が小さい。GRC打込み型枠を用いたRC梁は、通常端部を柱ま
たは大梁に接続され小口がないので、火災時の性質を検討するには、小口に近い部分でなく小口から離れた部分が対象になる。
小口から離れた部分では、接合面上の最大応カは、加熱後20分に、GRC打込み型枠の底板と側板の境日位置の接合面に生じ、接合面に垂直な引張応カ度は約9N/mm2、接合面に平行なせん断応カ度は約25N/mm2である。
梁小口から離れた部分において最初に損傷の起きる位置は、最大の応カが生じるGRC打込み型枠の底板と側板の境目近傍の接合面と考えられる。ただし、Fig.1に示す耐火試験体の全体で見ると、梁小口の近くに大きな応力が生じており、耐火試験体の接合面の損傷は、梁小口の付近で最初に起きると考えられる。
なお、解析モデルは要素ごとの温度の分布を一定としているため、本来連続した温度の分布を隣り合った要素の境目で不連続として計算した。そのため、接合面の応力の計算結呆は実際より大きくなるという誤差を含んでいる。また、加熱過程で生じる局所的な損傷の影響は考慮していない。
2・1・4.GRC打込み型枠の底板と側板の連続性について
GRC打込み型枠の底板と側板を一体的に成形し両者が連続した構成の場合と、底板と側板を組み立てて両者が分離した場合を比較した。Figure
2のZ=15mm、Y=110〜125mmの位置の面上で、GRC打込み型枠の 底板と側板に属する節点をそれぞれ別に設けて、この面で底板と側板の間に応カが伝達しないモデルを作成した。GRC打込み型枠の底板とコンクリートとの接合面に生じる応カの計算結果はFig.9になる。
Figure 9のように、GRC打込み型枠の底板と側板が分離している場合は、連続している場合に比べてコン
クリートとGRC打込み型枠の接合面に生じる応力は大きく、またY=110mmすなわち底板と側板の境目で応カが拡大しており、特異性が表れている。このように
接合された箇所と接合されていない箇所の境目が特異点となり、脆性的性質を持つ材料では不安定破壊の原因になって接合面が急激に剰離することになる。したがって、GRC打込み型枠の底板と側板が連続した構成にする方が、コンクリートとの接合面の剥離を抑えるのに有利であると考えられる。なおFig.9には、GRC打込み型枠を用いずに全体がコンクリートの場合についての計算結果を示している。Figure
9のように、GRC打 込み型枠を用いた場合は全体がコンクリートのRC梁より接合面に生じる応力が大きい。
2・1・5.GRC打込み型枠とコンクリートの接合性能の検討
GRC打込み型枠とコンクリートの接合面は、引張強度とせん断強度が大きいものほど、また強度に達した後も完全に分離するのではなく投錨効果等により接続しているものが望ましい。
円形凹みを付けた内面形状と亀甲金網を半分埋設した内面形状のGRC打込み型枠がコンクリートとの接合性に優れており、1N/mm2程度の引張強度と4N/mm2程度の見掛けのせん断強度を有し、強度に達して
キレツが生じた後も分離せずにある程度の応カを伝達できることが報告されている。これらの内面形状のGRC打込み型枠を用いた場合でも、前述の接合面に
生じる応カの計算結果とその考察を検討すると、GRC打込み型枠の底板と側板の境目近傍の接合面にキレツなどの損傷が起きると考えなければならない。
なお、これらのキレツなどの損傷の影響は解析していない。 |
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| 3. 耐火試験 |
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検討結果から、円形凹みと金網埋設の内面形状を持ち底板と側板が連続した構成のGRCパネルを打込み型枠に用いることが適当と考えられ、これらを
用いてRC梁の試験体を作成し、在来のコンクリートのみのRC梁の試験体とともに耐火試験を行い耐火性能を調べた。GRC打込み型枠を用いたRC梁の常温における部材構造試験で性能を確認しているので、ここでは鉄筋の温度で判定する無載荷加熱による耐火試験を用いた。
3・1.試験体作成方法 3・1・1.GRC打込み型枠
GRC打込み型枠は、Table 2に示す調合を用い、プレミックス成形法にて作成した。試験体の断面寸法は、実際に耐火試験の行われる標準的な断面寸法である幅250mm高さ400mmとし、長さは大型試験炉の場合、4000mmの試験体を使うことが多いが、今回使用した試験炉の大きさの関係からFig.1に示したように1000mmとした。また、端部小口を耐火被覆すると加熱面積が減少し、有利な条件となることから、Fig.8に示す解析結果のように試験体小口の接合面に最も大きな応力が発生し不利な条件となるものの、試験体の両端小日面の耐火被覆を行わず試験することとした。
(1)円形凹みGRC打込み型枠
円形凹みGRC打込み型枠は、市販されているポリエチレン気泡シートをGRC成形用金型の内面に両面テープで接着し、プレミックスGRCを打設した。硬化脱型後GRC側に持ち込まれたシートを剥がし、GRC内面に、直径10mm、深さ4mm、ピッチ14mmの円形凹凸模様をつけた。Figure
10に円形凹みGRC打込み型枠の構造図を示す。
(2)金網埋設GRC打込み型枠
金網埋設GRC打込み型枠の作成は、底板と側板の部分を蝶番でつないだ型を広げ、GRCを所定厚の半分まで打設した後、線径1.6mm、26×38mmの網目状亜鉛
引き亀甲金網を30×30mmの角材を用いて60mmビッチの凹凸状に型押ししたものを載せ、残りのGRCを打設した。GRCが半硬化状態の際に、蝶番から折り曲じ六底板と側板のGRCは連続した構成とした。なお、コーナー部は空潤が生じないようにコテ仕上げを行った。Figure
11に金網埋設GRC打込み型枠の構造図を示す。
これらのGRC打込み型枠は成形後、一次養生として60℃の蒸気養生を6時間行った後、室内に1カ月保管する=次養生を行った。
3・1・2.RC梁試験体
GRC打込み型枠は、コンクリート打設のときに型枠のはらみなどの変形が起きないように仮設の支持台上に設置した。その後、あらかじめ定められた位置に熱電対がセットされた鉄筋を型枠内に配筋した。鉄筋は、主筋がSD295D22を、試験体上下左右位置に計4本、あぱら筋がSD295D10を、200mmビッチで長手方向に4本配筋した。配筋後、Table
3に示す調合および晶質のコンクリートを打設した。なお、比較用として、GRC打込み型枠を用いない在来RC梁を作成した。在来RC
梁は合板型枠に配筋してTable 3に示す調合のコンクリートを打設し、1週間後に合板型枠を脱型した。GRC打込み型枠RC梁および在来RC梁は、コンクリートが硬化した後に、あらかじめ成形された中央部に熱電対引き出し穴のあいた,600×1900×120mmの床スラブを想定したRC板をその上部に取り付けた。この上部RCスラブとRC梁の固定方法は、RC梁のコンクリート打設の前に、両端のあばら筋近傍位置にあらかじめセットされた埋め込み金物に上部RCスラブの座堀り穴から長ボルトを通し固定した。この場合、加熱される梁部に対し上部RCスラブは温度が低いことから、試験体両端の画定部において拘束カが働き、打込み
型枠は膨張し、その中央部においてコンクリートと剥離しようとする力が働くと予想される。RC梁試験体は材令1カ月まで室内に静置した後、含水率測定用のダミー試験体とともに強制乾燥を行い、含水率が建設省指定試験機関で耐火試験が行われる条件である5%以下に下がったことを確認して耐火試験を行った。
3・1・3.試験体構造および測温位置
円形凹みGRC打込み型枠RC梁、金網埋設GRC打込み型枠RC梁、在来RC梁の構造および鉄筋の測温位置を示す小口断面図をそれぞれFig.12・13・14に、また、試験
体の側面から見た共通断面図をFig.15に示す。ここで、通常、耐火試験において、梁上部は上部RCスラブからの冷却効果により温度上昇が低いことから、GRC打込み型枠RC梁では上部のかぶり厚さを20mmとした。なお、在来RC梁では、建築基準法で定められているとおり一律30mmとした。つまり、GRC打込み型枠
RC梁のかぶり厚さは、上部あばら筋20mm、上端主筋30mmであるが、在来RC梁のそれらは、上部あばら筋30mm、上端主筋で40mmである。下部あばら筋および下端主筋では、いずれの試験体も前者が30mm,後者が40mmである。なお、かぶり厚さは鉄筋表面から試験体表面までの距離であり、GRC板の厚さを含んだ値である。測温位置については、主筋、上部と中央部と下部のあぱら筋および鉄筋温度の最も上昇すると思われる位置に熱電対を取り付けた。
あぱら筋および鉄筋温度の最も上昇すると思われるFig.12・13・14
・15において、1,2,3、1',2',3'は上端主筋の側面に取り付けられた熱電対位置を、また、4,5,6、4',5',6'は下端主筋の側面に取り付けられた熱電対位置を示
す。また、7,8,9,7',8',9'は上部あばら筋側面位置に、10,11,12,10',11',12'は下部あぱら筋側面位置に、また,13,14、13',14'は中央部あばら筋側面位置に取り
付けられた熱電対位置を示す。また、a,a'は下端主筋下面位置に、bはあばら筋下面位置に取り付けられた熱電対位置を示す。
3・2.試験方法
耐火試験は、JlS A 1304建築構造物の耐火試験方法 の「はり」の2時間耐火試験方法に準拠して行った。実際に使用した試験炉は、Fig.16に示す形状のもので、下方と左右側面からプロパンガスバーナにて試験体を標
準加熱曲線に沿って2時間加熱し、加熱中および加熱後の鉄筋の温度を測定した。炉内には、試験体の左右各3カ所、直径1mmのCA熱電対を試験体側面から3c曲離した位置に置き、加熱中の炉内温度誤差が加熱1時間までは±10%以内、2時間までは±7.5%以内になるように制御した。加熱が終了し、鉄筋の温度が降下した
ことを確認してから試験体を炉から取り出し、接合面の状況について調べるなど外観の目視検査を行った。
3・3.試験結果
3・3・1.鉄筋の測温結果
鉄筋温度の測定結果をTable 4に示す。GRCとコン
クリートの分離により、鉄筋の温度が急激に上昇するような現象は観察されなかった。試験体の種類、および測温場所により異なるが、概ね加熱開始から125〜140分(加熱終了後5〜20分)で温度の最大値を示した。
3・3・2.加熱後の試験体の外観検査結果
加熱終了後の外観をFig.17・18・19に、また試験体のキレツ発生状況をFig.21・22・23示す。キレツ幅について
は、比較的大きくかつ目視で計測が可能な0,2mm以上の幅について図中に表記した。なお建築物の診断で、鉄筋が錆びる恐れがあるかないかの判断の指標にキレツの幅0.2mm以上が用いられており、これも参考にした。0.2mm以下のキレツについては寸法の測定は行わずスケッチにとどめたcGRC打込み型枠RC梁について
は加熱試験終了後の試験体について、それぞれ中央部から切断し、切断面を写真撮影した。その結果をFig.20に示す。同図から、円形凹みGRC打込み型枠RC梁は接
合面に若干の剥離が見られるものの、金網埋設GRC打込み型枠RC梁は臭好な状態を保っていた。なお、在来RC梁については、加熱終了後ハンドリング過程中のコンクリート部の強度低下に起因するくずれが激しく、上記に示す切断は行えなかった。
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| 4. 考察 |
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Table 4の結果をもとに,同じかぶり厚さにおける鉄筋の温度をグラフにするとFig.24・25・26・27に示すようになる。Fig.24が他のグラフに比べ、全体的に温度が低い
埋由は、上部RCスラブが上方から加熱を受けないため、そこからの冷却効果が原因と考えられる。上に取り付けられた上部RCスラブとその下のRC梁の断面積比率は約7:10であり、上部RCスラブが及ぽす冷却効果は大きい。また、Fig.24において、在来RC梁の測温結果が、GRC打込み型枠のそれらの値に比べて高い値を
示した理由は、前者の鉄筋位置が後者に比べて上部RCスラブより10mm大きく下がっていて、上部RCスラプからの冷却効果を受けにくいためと考えられる。
Fig.25・26・27において、かぶり厚さの違いによる鉄筋の昇温の違いがあまり見られなかった理由として、鉄筋の熱伝導率の影響が考えられる。つまり、鉄の熱伝
導率が55W・m-1.Km-1であるのに対し09)、GRC打込み型枠もしくはコンクリートのそれはlW・mm-1.Km-1である。したがって、鉄筋は、コンクリートの温度より接している鉄筋温度の影響をより大きく受ける。Figure
25のかぶり厚さ30mmはあばら筋の位置であり、Fig.26,27のかぶり厚さ40mmは主筋の位置であ
る。あばら筋の断面積に比ベ、主筋のそれは4.8倍であることから、熱容量的にも主筋温度に支配される。 Fig.25・26・27において、円形凹みGRC打込み型枠RC梁が他のものに比べて鉄筋の昇温が若干低い理由として、加熱中に、Fig.21およびFig.20に示すように接合面に部分的な剥離が生じ、空気による断熱層が形成されたからと考えられる。ただし、この剥離も大きくなると、鉄筋温度の急激な上昇、さらにはGRC打込み型枠の剰落等の間題が生じるが、今回、そのような間題は
発生しておらず、耐火上有害な変形、脱落は生じていない。
一方、金網埋設GRC打込み型枠RC梁は、Fig.22およびFig.20に示すように、加熱後の剥離は見られなかっ
た。Fig.25・26・27の鉄筋温度も、在来RC梁の鉄筋温度の上昇と似た様相を呈している。金網埋設GRC打込み型枠RC梁試験体の場合、GRC打込み型枠に埋設された金網のGRC表層部からの距離が浅いので、その部分の発錆の恐れが考えられるが、GRC打込み型枠は、組織が緻密であり、中性化の進行は極めて遅いことが確認されている。
今回の耐火試験結果を、建設省告示第2999号に規定する「耐火構造のはりの2時間耐火試験」の判定基準に照らし合わせるとTable
5に示すとおりとなる。 Table
5から、今回の試験体はいずれも鋼材温度が500℃以下の基準を越えた。基準の500℃以下になるべき在来RC梁の場合も越えており、今回の試験体が小口耐火被覆を施していないため、加熱面積が大きくなり、全体に試験体の温度が上昇したためと考えられる。建築基準法により在来RC梁は、2時間の耐火性能を有することが認められており、耐火性能判定に合格するには小口部分を耐火被覆した大型はり試験体で確認する必要がある。 |
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| 5.まとめ |
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| GRC打込み型枠を使用したRC梁の耐火性能について、GRC打込み型枠をかぶり厚さに含めるという前提で検討し、以下のような知見が得られた。
| [1] |
GRC打込み型枠とコンクリートの接合面に生じる応カを、耐火試験の加熱開始から加熱120分までの間について3次元有限要素法で計算した結果、GRC打込み型枠の底板と側板の境目近傍に最大の引張応カとせん断応カの発生が見られた。またこれらの最大応力の発生は、加熱後20分程度経過したときであった。加熱時にGRC打込み型枠とコンクリートが分離するのを防ぐには、コンクリートとの接含性能が高く、底板と側板が連続した構成のGRC打込み型枠を用いることが必要と考えられた。 |
| [2] |
コンクリートとの接合性能の高い円形凹み内面形状または金網埋設内面形状で、底板と側板が一体化するように成形したGRC打込み型枠を用いたRC梁の試験体を作成して耐火試験を行い、以下の結果を得た。 |
| [2]‐1 |
金網埋設GRC打込み型枠を使用したRC梁は、GRCとコンクリートとの付着性が優れ、加熱後の剥離も見られなかった。鉄筋の昇温も在来RC梁試験体と同様な傾向を示した。
|
| [2]‐2 |
円形凹みGRC打込み型枠を使用したRC梁は、GRC打込み型枠とコンクリートの接合面に部分的な剥離が生じたが、剥落には至らなかった。また、剥離に伴う断熱層の形成により、鉄筋の昇温傾向は他のものに比べ低い傾向が見られた。
|
| [2]‐3 |
数値計算の結果では、GRC打込み型枠とコンクリートの接合面の一部の箇所に強度より大きい応カが生じたが、それらの箇所では耐火試験において部分的な接含面の剥離が見られただけで、剥落などは起きなかった。これは、GRC打込み型枠の底板と側板を接続した構成にしたこと、コンクリートとの接合性に優れたGRC打込み型枠を用いたためと考えられ、GRC打込み型枠の適用においては底板と側板の連続性とコンクリートとの接合性が重要である。 |
| [3] |
底板と側板が連続し、かつコンクリートとの接合性に優れたGRC打込み型枠を使用したRC梁は、同じ断面の在来RC梁と同程度の耐火性能を有し、GRC打込み型枠をかぶり厚さに含めることが可能であると考えられる。 |
| [4] |
なお建築基準法が改定され、また耐火試験方法が平成12年度に見直しになったことから、これに対応して、GRC打込み型枠を用いたRC梁が構造部材としての耐火性能を有することは、載荷加熱試験により確認すべきである。また、数値解析で耐火性能を評価するには、部材内の温度を連続した分布として計算する必要がある。 |
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